アンティークコインのグレードの確認方法は?NGCやPCGSのグレーディングを徹底解説!

2020/8/24|著者: アンティークコインタイムズ編集部

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アンティークコインを調べていると、よく美品、未使用品などとグレードが表示されているのを見かけると思います。他にもNGCやPCGS、MSやPFなどの表記がコインの詳細にあります。これらはコインのグレードを表したものですが、疑問に思っている方は多いでしょう。

 

表記されたコインのグレードの見方が分かれば、売買する際の価格の目安にすることができます。

 

今回はアンティークコインのグレードとは何なのか、グレード表記の種類、アンティークコインの売買で重要となるNGCやPCGSのグレーディングを解説していきます。

 

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アンティークコインのグレードとは何?

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グレードとはコインの品質状態を表示したもので、個人や専門店が独自でつけるグレードと鑑定機関が付けるグレードがあります。

 

個人がつけるグレード

個人が付けるグレードは、コインを保有する本人が自身でどのような状態なのかを表記したものです。新品なのか中古品なのか、使用品なのか未使用品なのか、傷やスレがあるのか美しい状態なのかなどがコインの詳細に記載されています。

 

個人がつけるグレードは主観的な判断によるものが多く、中には不適切な表記もあるので注意しなければなりません。

 

専門店・プロがつけるグレード

アンティークコイン専門店や美術商などの鑑定士がつけるグレードもあります。これらのグレードはお店の信用や鑑定士自身の信用に関わるため、個人がつけるグレードよりも信頼性が高くなります。

 

コインの鑑定機関がつけるグレードに沿ってつけられる場合も多く、美しい状態なのかダメージがある状態なのか、未使用品、美品、傷ありなどわかりやすい言葉で表記されています。

 

コイン売買の実績・信用がある専門店や鑑定機関の公認ディーラーを選ぶことが重要なポイントとなります。

 

鑑定機関がつけるグレード

最も信頼性が高いのがコインの鑑定機関がつけるグレードです。日本では日本貨幣商共同組合と呼ばれる鑑定機関があり、江戸時代の金貨や銀貨を中心に日本のコイン鑑定をしています。

 

そして、海外のアンティークコインで最高峰にある鑑定機関はNGCPCGSです。NGCとPCGSはコインの二大鑑定機関として世界中で認められています。この2つの鑑定機関がつけるグレードはアンティークコイン市場におけるコイン評価の指標ともなっています。

 

NGCやPCGSのグレードを基盤にコイン専門店や個人の鑑定士もコインのグレードをつけています。NGCやPCGSの鑑定書があるだけで、同じ状態のコインであっても価格が数段高くなります。国際鑑定機関がつけるグレードは世界で通用する、コイン保証書としての役割を果たしているのです。

 

NGC・PCGSのグレーディングを徹底解説!

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アンティークコインの詳細にNGCやPCGSの鑑定マークを見ることがあると思います。鑑定マークに合わせてMS66、MS65、PFなどの記号が記載してあります。これらの表記がついているコインはNGCやPCGSが鑑定してグレードをつけていることを意味しています。

 

つまり、そのコインの真偽や価値が世界の二大鑑定機関によって保証されているのです。

 

では、NGC、PCGSとはそもそもどのような鑑定機関なのか、そしてNGCとPCGSのグレードの見方を詳しく解説していきます。この2つの鑑定機関がつけたグレードの見方がわかれば、今後アンティークコインを売買する際の目安にすることができます。

 

※NGC、PCGSの他にも、世界的に信頼度が高い認定機関としてANACS、ICG、CGSなどがあります。

 

NGCとは

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参考:https://www.ngccoin.hk/about/about-ngc/

 

NGCとは、Numismatic Guaranty Corporation(アンティークコイン鑑定法人)を略したもので、1987年に米国ニュージャージに設立された鑑定機関です。

 

設立以来、主要国の美術館や博物館、個人・法人を対象に460万枚以上のコインの鑑定を行っており、英国、ドイツ、香港などにも支店を構え世界中のコインディーラーと提携して活動しています。日本語版のNGC公式サイトからも詳細を確認して頂けます。

 

国内にもNGC公認ディーラーとして認定を受けたコイン専門店がいくつかあります。公認ディーラーを通してNGCに鑑定を依頼することも可能です。

 

NGCの高度な鑑定技術と豊富な経験にて、1枚のコインは公正かつ厳しく鑑定されNGCの保証マークとグレードが付けられます。鑑定されたコインは下記のように専用カプセルにて安全に密閉されています。(簡単に開封できないため偽造品にすり替えることはできません)

 

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  1. NGCの保証マーク → NGCが鑑定したことを保証するマークです。
  2. コインの年代や名称、コインのグレードがこちらに表記されます。

このコインの場合、

  • 年代:1911年
  • コインの名称:G.Britain 5 Sov(英国 5ポンドソブリン金貨)
  • グレード: PF65★ CAMEO

と鑑定されています。

※バーコードからコインの詳細を確認することができます。

 

PCGSとは

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参考:https://www.pcgs.com/

 

PCGSとは、Professional Coin Grading Service(プロフェッショナルコイン鑑定サービス)を略したもので1985年にカリフォルニアで設立されました。NGCと並ぶ世界最大級の鑑定機関で数百万枚を超えるコインの鑑定歴があります。

 

1900年代に入ってからコイン収集が世界的な規模で注目されてはいたものの、世界共通の価格の基準となる指標がなかったことがPCGSが設立された所以で、いわばコイン業界の先駆的存在です。NGC同様に世界各国に支店・窓口、公認ディーラーを設けコインの鑑定を受け付けています。

 

日本語版のサイトでもコインの鑑定や鑑定済みのコインの情報提供などを行っています。

 

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上記のように、鑑定されたコインは開封・偽造できない専用プラスチークケースに入れられ、PCGSの保証マークとコインの詳細がバーコード付きで表記されます。

  • PCGS保証マーク
  • 年代:1817年
  • コインの種類:Medal(メダル)
  • グレード:MS62
  • コインの名称:Hess‐Darm Reformation

というように鑑定されています。

 

NGCとPCGSのグレーディング表

コインの情報を調べる時に、公式サイトからグレードの確認できますので詳細を覚える必要はありませんが、大まかにでも品質の見分け方がわかっていると様々な売買シーンで役に立ちます。

 

NGC、PCGSなどの代表的な鑑定機関ではほぼ共通して同じ表記方法が使われています。グレードは70段階、その他補足的な情報を追加する記号や番号がつけられることもあります。ここではよく使われる表記方法を一覧表にまとめておきました。

 

グレード表記

詳細

数字表記

MS

/Mint State

未使用の状態

70 最高品質・完全未使用

69 ほとんど完全未使用に近い

68 ほんの微かなシミ・くすみがある

67 2,3箇所に小さなシミ・くすみがある

66 シミやくすみはあるが図柄が鮮明

65 シミやくすみが軽い傷が図柄に影響している

64 若干目立つ傷が図柄にある

63 いくつか目立つ傷があり図柄に影響している

62 使用感はないがやや目立つシミ・傷がある

61 使用感はないがシミ・傷が目立つ

60 使用感はないが大きなシミ・傷が数か所にある

PF

/ Proof

プルーフ加工のコイン

SP

/Specimen

ミントでもプルーフでもない特殊加工のコイン

AU

/Almost

Uncirculated

ほとんど未使用に近い

58 かすかな使用感が図柄の上部のみに見られる

55 かすかな使用感が図柄の50%以上を占める

53 使用感が図柄の50%以上を占め軽いダメージがある

50 50%以上の使用感とやや目立つスレなどがある

XF

/Xtremery

Fine

使用感があるが極めて美しい状態

45 図柄はほぼ鮮明に残っているが使用感がある

44 図柄はほぼ鮮明でも表面にダメージを受けている

VF

/Very Fine

図柄は鮮明、使用感が強い

35 図柄は残っているが全体的にダメージがある

30 図柄は残っているがスレがやや目立つ

25 図柄は残っているが凹凸がなくなりつつある

20 全体に軽いスレ・くすみはあるが文字や数字は鮮明

F

/Fine

図柄が薄くなっているが数字や文字は鮮明

15 図柄が薄くなっているが文字や数字は鮮明

12 図柄の薄さが目立つが文字や数字は鮮明

VG

/Very Good

全体的にダメージを受けていて文字や数字も薄い

10 図柄の薄さが目立ち、文字や数字も軽いダメージ

  8 全体的なダメージがあり、文字や数字も薄い

G

/Good

文字・数字は明確に読める状態

  6   文字や数字が読める、縁は鮮明

  4   文字や数字が読める、縁にダメージ 

AG

/Almost Good

文字・数字がかろうじて読める状態

  3  文字や数字がかろうじて読める、縁が平ら          

FR

/Fair 

部分的に形状が明確に残っている

  2  全体のダメージが目立つ、部分的に明確

PO

/Poor

かろうじてコインの判別ができる状態

コインを判別する形状は残っているがダメージがひどい

/Plus 

そのグレードの中でも高度な品質にあること

+がついた場合はほぼ1つ上のグレードに近いことを意味しています。

/Star

注目すべきポイントがある

そのコイン特有の鮮明さや輝きなど、注目すべきポイントがあるコインにつけられます。

※数字は70が最高で70に近くなるほど高品質であることを意味しています。例えば同じMSでもMS65よりはMS67の方が完全未使用に近いことになります。

※使用感とはコインの輝きや凹凸が残っているかどうかで見ていきます。シミやスレ、傷などで輝きがなくなり平たくなるほど価値が落ちていきます。

 

公式サイトからグレードの詳細が確認できます。簡単な英語がわかる方は参考にしてみて下さい。

 

NGC Grade Scale:https://www.ngccoin.com/coin-grading/grading-scale/

PCGS Coin Grading:https://www.pcgs.com/whatiscoingrading

 

まとめ

今回ご紹介したように、NGC、PCGSなどの鑑定機関のグレードが最も信頼性が高く安心です。鑑定付きのコインなら買い手がつきやすいというメリットもあります。

 

次に安心できるのが実績があり信頼できるコイン専門店・鑑定士や、NGCなどの公認ディーラーがつけるグレードです。顧客との信頼関係が経営を左右するため、グレードに偽りはないと思ってよいでしょう。

 

一般的に個人がつけるグレードは、つける人の見方や価値観などで大きく差が出てくるので注意する必要があります。拡大写真などで細部をしっかりと確認することや、万が一に返品可能であることを確認して購入するようにしましょう。

 

NGCやPCGSの鑑定付きのコインにはどのようなグレードがあり、価格はいくらぐらいなのかを知るだけでも勉強になります。まずは、より多くのコイン情報を見て、アンティークコインを見極める目を養っていきましょう。


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タグ: グレード/価値

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