コインをコレクションする理由とは?コイン収集の目的やコインの愉しみ方を解説

 

コレクションとしてのコインには、アンティークコインとモダンコインがあります。

アンティークコインとは、およそ100年以上前に作られたコイン全般のこと。場合によっては、紀元前に作られたはるか昔のコインから、1800年代に作られたコインまで、あらゆる種類が存在します。またモダンコインは近年になって発行されたもので、その中にはシリーズものとして人気のあるものもあります。

ここでは、コイン収集家や資産家、コイン好きの人が「コインをコレクションする理由」やアンティークコイン投資及びコイン保有の愉しみ方についてみていきましょう。

 

 

コインコレクション(コイン収集)とは

何かを集める趣味、つまりコレクションを愉しむ人はたくさんいると思います。ワインコレクション、高級食器コレクション、切手コレクションなど、その種類をあげたらきりがありません。その中でも最近特に脚光を浴びているのがコインコレクションです。

コインには、100年以上前に発行されたアンティークコインとそれ以降に発行されたモダンコインの2つのタイプがありますが、どのコインも発行数や現存数が少なければ少ないほど価値が上がり、また年月が経つにつれて入手するのが困難になりその分値段も高くなります。

 

コインをコレクションする3つの理由

ではなぜ人はコインをコレクションするのでしょうか。大きく分けると3つの理由があります。1つ目はコインの歴史・美術品としての美しさを愉しむため、2つ目はシリーズものとして集めて愉しむため、そして3つ目が資産運用・資産防衛としてコインを購入するためです。

 

理由1.コインの歴史・美術品としての美しさを愉しむ

コインはもともと貨幣の一つとして、物の価値を代用するものとして生み出され使われてきました。値段の高いアンティークコインは金や銀など貴金属で作られていることが多いため、それだけでも価値がありますが、ほとんどのものは何かを記念して発行されているため、その背景を知ることはコインコレクションの愉しみの一つになります。

それぞれのコインには、コインの表裏に歴史上の重要人物や国のシンボルなどが彫刻されています。その人物がコイン発行時にどのようなことをしていたのか、その国のシンボルはどのような意味を持っていたのかなど詳しく調べて行くと当時の歴史的な背景が良く理解できるようになります。

こうした理由から、コインコレクションは、歴史が好きな人には大変魅力のある趣味だと言えるでしょう。さらに、名工が施した彫刻には素晴らしいものが多く、一つの美術品としてその美しさを愉しむこともできるのです。

 

理由2.シリーズものを集める愉しさ

コインによっては、記念硬貨やシリーズものとして発行されるものがあります。アンティークコインでは、英国の王や女王の即位記念コインを集めると、一つのシリーズものとして貴重なコレクションになります。またモダンコインでは、レジェンドシリーズなど、さまざまな内容や有名人をモチーフにしたシリーズもののコインも数多く発行されています

シリーズもののコレクションでは、シリーズとして発行されたすべてのコインをを揃えることが愉しみになり、すべて揃った時の喜びは何物にも代えがたいのになるでしょう。それは「完成させたい」という人間の本能を満足させるからなのです。

 

理由3.資産運用・資産防衛としてコインを購入する

アンティークコインはもちろんですが、モダンコインの中には価値の高いものもあり、将来手放すときに高額で売ることも可能です。

このような理由から、アンティークコインやモダンコインを資産運用や資産防衛の手段として収集することができます。

価値のあるコインは、短期間で収益をあげるには適していませんが、長い間寝かせておくと、多くの場合、購入した時よりも値段があがる傾向にあります(※希少性が高く、人気のコインに限る)。

これまでのデータを見ると、リーマンショックのような不況になっても、人気のあるコインの価値は落ちないどころか、かえって値段が上がるケースもあるのです。不況に強くリスクが少ないことからコインコレクションが資産運用・資産防衛の手段として昨今注目を集めているのもご理解いただけるのではないでしょうか。

 

人気のコインコレクション

コインコレクションには、いくつかのタイプがあります。その中から特に人気のあるコインコレクションの例を3つご紹介したいと思います。

 

ミュージックレジェンドシリーズ(クイーンやエルトン・ジョン)

▲エルトン・ジョンの金貨

ミュージックレジェンドシリーズは、イギリスの著名なミュージシャンをモチーフにして発行されたコインシリーズです。

第1弾として2020年1月に発行されたのがクイーンをモチーフにしたコイン。そして第2弾が同年7月に発行されたエルトン・ジョンのコインです。どちらも人気があり、発売開始後あっという間に売り切れ、短期間で値段も高騰しました。

エルトンジョンの金貨の例を出します。このコインは、表にエルトンジョンのトレードマークである帽子とメガネがデザインされており、裏にはエリザベス2世の横顔が彫られています。

発売価格は4,555ポンドでしたが、動画で紹介される頃には2倍近い8,000~9,000ポンドまで上がっていました。

参考:Music Legends | The Royal Mint / イギリス王立造幣局より「エルトン・ジョンの記念コイン」が発売!モダンコインは投資チャンスか? | Antique Coin Times 

 

1847年ゴシッククラウン銀貨(Victoria Proof "Gothic" Crown 1847)

▲若きヴィクトリア女王の肖像が印象的な「ゴシッククラウン銀貨」

投資としてだけでなく、歴史的な背景や美術的要素を愉しみたい人にはヨーロッパやアメリカのアンティークコインがおすすめです。

数あるアンティークコインの中でも世界的に高く評価されているコインのひとつが「1847年ゴシッククラウン銀貨」です。英国のヴィクトリア女王の即位10周年を記念して発行された銀貨で、表には若きヴィクトリア女王の横顔が彫られ、裏にはイングランド、スコットランド、アイルランドの紋章とシンボルとなる花が彫刻されています。

金貨と比べると貴金属としての価値が変化する銀貨への評価は様々ですが、銀貨の年径による変化を愉しむ人も多く、特にこの1847年ゴシッククラウン銀貨は彫刻の美しさが高く評価され「世界で一番美しい銀貨」とも呼ばれ人気を博しています

 

参考:GREAT BRITAIN. Gothic Crown, 1847. PCGS PROOF-62 CAMEO Secure Holder. | PCGS Auction Prices / Great Britain: Victoria Proof "Gothic" Crown 1847 PR63+ Cameo NGC,... | PCGS Auction Prices

 

都市景観(「都市の景観」が彫られたコイン、デザインが人気)

▲Nürnberg. Free City "City View" Taler 1779-KR MS62 Prooflike NGC(ニュルンベルグの都市景観コイン)

ドイツやスイスなどヨーロッパ各地で発行された「都市景観」コインも人気があります。金貨と銀貨があり、発行されたのは主に17~19世紀です。発行の目的は、単にその都市を紹介する意味でその都市の象徴的な景観を彫刻したものから、例えば宗教改革や市制の記念年を祝って発行したもの、また戦争勝利を祝ったものなどいくつかの異なる目的があります。

また裏面には通常、当時の君主の横顔やその都市のシンボルなどが彫られているので、調べていくと、発行当時、その都市にはどのような時代背景があったのかわかり、更に愉しみが増えることでしょう。

発行目的はコインにより異なりますが、これらの都市景観コインに共通して言えることは、その都市の風景が実に素晴らしく彫刻されていることです。見ているだけでも愉しく、また、特にドイツで発行されたものは数が多いことから、シリーズものとしてより多くの都市景観コインを集めるのも魅力的だと思います。

 

参考:都市景観コイン&メダル ライブラリー / ドイツ ニュルンベルクの都市景観コイン史について | 古銭の森

 

まとめ

さまざまなものを収集することは楽しい趣味の一つになっています。コインコレクションもその一つで、アンティークコインやモダンコインなど、ミュージックレジェンドや都市景観のシリーズものや君主の即位記念コインなど、テーマを決めて集めると愉しみが広がります。

また、コインコレクションは近年、資産運用や資産防衛として注目を集めていますが、同時にそれぞれのコイン発行の背景にある歴史や秘められた物語を理解すると愉しみが倍増します。ぜひ、好きなテーマを見つけてコインコレクションを始めてみてください。