アンティークコイン収集の歴史!皇帝や王様、大統領から女優まで

2020/7/7|著者: アンティークコインタイムズ編集部

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コイン収集と聞いて思い浮かべるのはどんなことでしょうか。テレビの鑑定番組にも登場するアンティークコインは、一部の人が装飾のために利用した宝石などと異なり、いにしえの多くの人々の手に触れた可能性の高いまさに人類の遺産。

アンティークコインが人々を魅了する理由は、まずコインそのものの美しさがあります。さらに、鋳造された時代の風習や文化が小さなコインに凝縮しているという一事にもあるかもしれません。コイン収集は、いったいいつ頃から始まったのでしょうか、その歴史について見ていきましょう。

 

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コイン収集の歴史 ~古代ローマ皇帝も中世の王様も、現代宝飾メーカーも!

コインの収集を始める理由は、さまざまあります。

  • 純粋にホビーとして始める
  • 歴史的な興味がコイン収集のきっかけとなる
  • 投資の対象として金や銀のコインを買い求める

いずれにしも、コイン収集が高じてくると希少性の高いものへと目が向くようになります。つまり、ごく短期間に鋳造されたものや鋳造工程におけるミスから生まれたエラーコイン、また芸術的な価値が高いコインなどなど、市場において高値で取引されるコインのことです。

貨幣学の分野から見ると、コイン収集の歴史はなんと古代までさかのぼるといわれています。

初代ローマ帝国皇帝アウグストゥスをはじめ、中世の教皇や王様や貴族にも熱心なコイン収集家が存在していました。古代ローマ帝国の皇帝たちは、古いコインを装飾品として用いていたのです。

この流れは、現在も宝飾メーカーのブルガリが継いでいます。ブルガリではなんと、1960年代から古代のコインを用いたアクセサリーをシリーズ化しているのです。ローマに本拠地を置くブルガリは、古代ローマのスピリットを近代的な宝飾品に込めたいと願ったのでしょう。これぞまさに世界で唯一のジュエリー、というわけでロングセラーになる人気を誇っています。つまり、美しいコインは宝飾品と遜色ない美を有しているという証かもしれません。

西洋の博物館や美術館を巡ると、アンティークコインのコーナーがあることが多いのは、古代から現代にいたる王侯貴族たちの大規模コレクションの名残といえるでしょう。

 

人文主義者ペトラルカに始まる近代のコイン収集

歴史の断片がその小さなコインに凝縮されていることは、歴史好きならずともコインにロマンを覚えるところでしょう。

コイン収集の祖の1人に、ルネサンス時代の文学者であるペトラルカがいます。当時のインテリ中のインテリであったペトラルカは、貨幣研究が高じてコレクターになったといわれており、まさに古代のコインの魅力に憑りつかれたといえるかもしれません。

ペトラルカは、古代の文学や歴史を研究しつつ、コインをその手段として利用していたと伝えられています。つまり、現代の貨幣学のスピリットを生み出したのが、ペトラルカであったわけです。

ペトラルカは、古代の戦争や祝賀行事と関連したコインに造詣が深かったようですが、これは当時の貴族たちにも大きな影響を与えました。古代の事象をまねて、ルネサンスの貴族たちは領土の一部を敵から奪還したり異教徒相手の戦争に勝つと、それを記念してコインを鋳造するようになったのです。

これがまた、後世のコイン収集者たちの垂涎の的になったわけです。

 

高名なコイン収集者たち ~大統領から現代の女優、ダースベーダーまで!?

世界史の教科書に登場した有名人や現代の女優にも、コイン収集者が存在します。

たとえば、アメリカ合衆国第3代大統領トーマス·ジェファーソン。アメリカ独立宣言に貢献した政治家ジェファーソンは、いっぽうで熱心なコイン収集家でした。その範囲は、古代から近世ヨーロッパにまで及んでいたそうです。また、20世紀のイタリア王ヴィットーリオ·エマヌエーレ3世の貴重なコインコレクションは、現在はローマのマッシモ宮殿で見ることができます。

スポーツの世界にも、コインコレクターが。アイスホッケーの神様と呼ばれたウェイン·グレッキーは、コイン収集の世界では非常によく知られた存在です。

エンターテイメントの世界には、コインコレクターが多数います。2018年に亡くなった女優兼映画監督のペニー·マーシャル、『スターウォーズ』でダース·ベイダーの声を務める俳優ジェームス·アール·ジョーンズ、そしてなんとクールビューティーの代名詞ニコール·キッドマンもコインコレクターです。ニコール·キッドマンは、噂によると古代ユダヤのコイン収集にことのほか熱心であるとか。

 

コイン収集のメリットとは

コインに興味はあっても、コレクションするとなると少し敷居が高く感じる方も多いかもしれません。

まず、歴史などに興味がなくても、自分が直感で「好き」と思ったコインを手が届く範囲で集めてみると楽しいかもしれません。そのうち、自分の嗜好が明確になってきます。欧米ではコインが発見されることはよくあるので、値段もピンからキリまで市場に多数登場します。

自身の嗜好が自覚できれば、コレクションにも秩序が生まれます。好きなコインが生まれた時代や都市について勉強し、新たな世界に足を踏み入れることになるかもしれません。

『ローマ人の物語』の作者である塩野七生さんは、執筆のために収集した古代のコインを、執筆後にアクセサリーにしていました。このように、純粋にアートを手元に置くというコンセプトでも、コイン収集は楽しいものです。

また、投資という面においてもコイン収集はメリットがあります。それは、その他の美術品と比べても、コインの市場が比較的安定しているという点です。つまり、大儲けもしない代わりに大損もしないという保証付きというわけです。

歴史の本の図録にも登場するコイン、ため息が出るほど美しいものもあれば、飄逸なデザインのものまでさまざまです。その時代を生きた人々の息吹をぜひ、アンティークコインから感じてみたいものです。

 

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タグ: 雑学(歴史)

アンティークコインタイムズ編集部

著者:アンティークコインタイムズ編集部

アンティークコインタイムズ編集部は、アンティークコイン投資をはじめ、世界のあらゆるアンティークコインの歴史やストーリー等を中心に発信しています。アンティークコインの価値や楽しさをより多くの人に伝えられるように、日々良質なコンテンツを作成しています。