ヴィクトリア女王のおすすめコイン(金貨・銀貨)を5つご紹介!

 

貴金属投資の一環として注目されているアンティークコイン。いざコインの購入を考えた時に悩むのがどんなコインを購入すべきかということです。

 

どこの国のコインを買うべき?何年頃がよい?誰のコインがおすすめ?などとコイン選びのきっかけが掴めずに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

 

そこで、おすすめなのがアンティークコインの王道とも呼ばれているヴィクトリア女王のコインです。今回はヴィクトリア女王コインがおすすめな理由と、購入しておきたい金貨・銀貨をいくつかご紹介していきます。

 

 

ヴィクトリア女王とはどんな人物?

ヴィクトリア女王はかつての英国の君主です。名前は知っていても実際にどんな人物だったのか、なぜヴィクトリア女王のコインがおすすめなのか疑問に思いますよね。

 

世界中のコインコレクターを惹きつける不朽かつ王道のテーマ、ヴィクトリア女王の概要や、ヴィクトリア女王コインの魅力について見ていきましょう。

 

大英帝国の女王

ヴィクトリア女王は1837年に英国の君主として18歳で即位、在位期間は1901年までの63年7か月。ジョージ6世の曾祖母にあたる人物で、エリザベス2世の次に在位期間が長い君主です。

 

当時の英国は、産業革命による強大な工業力と海軍力によって世界をリードしており、インドをはじめ英国領土の拡大が著しく進められた時代でした。

 

工場、科学、テクノロジー、建築、鉄道、船舶など高度なインフラ設備や生産技術を英国は生み出し、1951年には史上初の万国博覧会がロンドンで開催されるなど、ヴィクトリア女王はまさに大英帝国の黄金期のシンボルとして名高い君主なのです。

 

荘厳なるヴィクトリア朝

ヴィクトリア女王は厳密にはハノーバ朝最後の君主となるのですが、独特の文化や生活習慣を築き上げた点で他の時代とは大きく区別され、ヴィクトリア朝と呼ばれているのが特徴です。

 

産業が大きく発展したヴィクトリア女王の時代は、中流~上流階級に膨大な富みと権力を与えました。工場主や地主などの権力者たちは邸宅を威厳に満ちたインテリア・エクステリアで彩り、多くの使用人を抱えることが1つのステイタスとなりました。

 

私達日本人がイメージする執事やメイドがプロフェッショナルな職業として確立されたのもヴィクトリア朝です。権力者たちの力を誇示するクラシカルで厳格、エレガントな家具やファッションがヴィクトリア女王のライフスタイルをモデルに流行しました。

 

コインと切手ブランドの確立

また、ヴィクトリア女王の在位期間は、ちょうど国家が立憲君主制へと移行するちょうど過度期にあたり、君主の役割は政治的なものから、儀式的・祝祭的なものへとシフトしていった時期でもあります。

 

重要イベントを記念するヴィクトリア女王のコインや切手が、英国や英国領にて数多く発行され、コインや切手収集のブームを生み出しました。

 

美しく荘厳たるヴィクトリア女王の肖像が刻まれたコインによって、英国のロイヤルミントは世界でも高品質のコイン・切手のブランドとして、その地位を確立したのでした。

 

以上、述べてきたような理由からヴィクトリア女王はアンティークコインの王道と呼ばれるようになり、今日でもヴィクトリア女王コインは世界中のコレクターや投資家達に深い影響を与えているのです。

 

ヴィクトリア女王の金貨

それでは、ヴィクトリア女王コインにはどのような種類があるのか、ソブリン金貨を中心に代表的なコインをご紹介します。

 

まず、ヴィクトリア女王コインは大きく3つのパターンに分けることができます。

  1. ヤングヘッド
  2. ジュビリーヘッド
  3. ベールヘッド

それぞれどのようなタイプのコインなのかを詳しく見ていきましょう。

 

ヤングヘッド ソブリン金貨(1838年~1887年)

貨幣史的にも美術史的にも傑作の1つだといわれているのが、ヴィクトリア女王のヤングヘッドコインです。即位後、1838年に初めてヴィクトリア女王を描いたヤングヘッドコインが発行され、ネオクラシカルで繊細なデザインが話題を呼びました。

 

ヤングヘッドをデザインしたのはウイリアム・ワイオン。1816年からロイヤルミントのデザイナーとして活躍し、ジョージ4世やウナとライオンでも有名です。

 

すでにヴィクトリア女王が13歳の頃からウイリアム・ワイオンは肖像画を描き始めていたとのことです。同じくロイヤルミントデザイナーでStジョージとドラゴンを描いたベネディット・ピストルッチとの競争があったことが、類まれなる傑作を生み出す要素となったようです。

 

1870年以降は裏面にStジョージとドラゴンが刻まれたヤングヘッドも発行されています。

 

価格相場:グレードや年代によって10万円~500万円程度。鑑定付きで未使用に近いものは1,000万円以上の値がつくこともあります。



ジュビリーヘッド(1887年~1893年)

即位50周年を記念して発行されたのがジュビリーヘッドと呼ばれるヴィクトリア女王コインです。ジュビリーヘッドは彫刻家ジョセフ・エドガー・ベームによってデザインされました。裏はStジョージとドラゴンです。

 

写真のようにリアリスティックなヴィクトリア女王の表情や精密な冠と勲章の装飾が美しいコインです。発行期間がわずか6年間と短いことで希少価値が高いため、とくに人気の高いテーマとなっています。

 

価格相場:鑑定なしの美品クラスにて20万円~50万円。MS65以上の鑑定付きだと50万円~500万円程度。

 

ベールヘッド(1893年~1901年)

ベールヘッドは晩年のヴィクトリア女王コインで、オールドヘッドと呼ばれることもあります。彫刻家兼メダルデザイナーのトーマス・ブロックによって刻まれた最後のヴィクトリア女王の肖像です。

 

トーマス・ブロックはアルバートメモリアル美術館、ロイヤルパークなどにヴィクトリア女王を始め数々の彫像を残しています。

 

ベールヘッドでは冠をわずかに見せながらも、長いベールと真珠を身にまとっている姿が描かれています。ベールと真珠のネックレスは、夫アルバート公を亡くして以来、生涯を喪に服したヴィクトリア女王の献身的で神聖な姿を讃えたものです。

 

価格相場:グレードや年代によって5万円~150万円程度。鑑定付き未使用品の場合は数百万円で売買されることもあります。

 

ヴィクトリア女王の銀貨

ヴィクトリア女王コインは、ソブリン金貨の他にも美しいデザインのクラウン銀貨、ペニー銅貨など数多くの種類が発行されています。最後にシルバー好きな人のために、おすすめの銀貨も2つご紹介しておきます。

 

ゴシックヘッド クラウン銀貨(1947年~1953年)

こちらの銀貨はゴシックヘッドと呼ばれているコイン。デザイナーはウイリアムワイオン、1947年~1953年にかけて限定的に発行されたプルーフ加工の銀貨です。数に限りがあり、現在では入手が難しいため高い値で売買されています。

中世風の装飾的なデザインで、ヴィクトリア女王コインの中では最も美しいコインだと評価するコレクターも多いです。

 

価格相場:使用感があり劣化が見られるものでも安くて50万円~100万円程度。状態のよいものは数百万~1,000万円の値がつきます。

 

ゴシックヘッド フローリン銀貨(1851年~1887年)

続いてこちらはゴシックヘッドのフローリン銀貨。1851年~1887年にかけて発行されました。年度によって発行数や細部のデザインにばらつきがあり、エラーコインも時々出現します。

 

ゴシッククラウン銀貨と並ぶ美しいコインで、年代やグレードによって価格帯の幅が広いため予算に合ったコインが探しやすいのが特徴です。

 

価格相場:劣化が見られるコインだと数千円~数万円でも入手可能。準未使用品あたりで20万円~50万円程度。MS65以上の鑑定付きだと数十万~100万円以上の値がつきます。

 

まとめ

アンティークコインはヴィクトリア女王の名前なしでは語れないほど、非常に人気が高いテーマです。流動性が高いため売買しやすいことがヴィクトリア女王コインのメリットです。

 

そして、イギリスコインのデザイン力の高さ、造幣技術の美しさを見事に実現していることがヴィクトリア女王コインの最大の魅力だといえます。持っているだけで誇らしい気持ちになれるヴィクトリア女王コイン。1枚買っておいて損はないといえるでしょう。