地金投資:購入するコインを決定する際に考慮すべきポイント

4種のメジャーな金貨の造幣数、純度、また他の詳細について見てみよう。

By ジョン・メイベン - 2020年7月29日
ペガサスコイン&ジュエリー(Pegasus Coin and Jewelry):ジョン・メイベン著

 

世界が混乱に陥るまであと一歩といった状況で、政府が数兆に上るドルとユーロを西欧諸国経済に注ぎ込んでいることにより、インフレの脅威が大幅に増した。こんな情勢の中、貴金属投資の人気は高まってきている。

 

金、銀、その他の貴金属を購入することはインフレ対策の手段とみなされており、また通貨制度の崩壊、戦争、自然災害が起こった場合に備えての資産を守るための最終手段であると考えられている。

 

最も一般的で便利な貴金属購入の方法のひとつは、金地金に投資することだ。例えば、純度や重量が公的に保証された、政府の造幣局が発行する金貨などだ。このようなコインは携帯性に富み、価値に信頼性があるため世界中で広く受け入れられている。これらのコインは、美しいが一般的に収集家の興味の対象にはならない初期の金貨(アメリカの場合、1933年以前)とは異なるものである。

 

こちらで4種のメジャーな1オンス金貨を見てみよう。

 

どれくらい発行されたのか?

稀少価値が価格に影響を与えるコレクタブル、または貨幣学上価値のあるコインとは異なり、地金型金貨を購入する際に考慮すべき事項は発行枚数である。これは、安全性に加え、換金性が地金型金貨の重要ポイントのひとつであるからだ。換金性の高い金貨であれば、簡単に売却でき、または他の商品やサービスと交換することができる。発行数の多いコインは人気が高く、広く認識されているためだろう。

 

4種のメジャーな地金型1オンス金貨と、その発行数は以下の通りである。(プルーフやスペシャル版を除く):

 

南アフリカ・クルーガーランド金貨:製造枚数は約6千万。1967年に最初に導入された地金型金貨である。南アフリカで生産された金属を販売する目的で発行された。即座に広く受け入れられるようになったが、1970年代・80年代には、アパルトヘイト政策に抗議するための南アフリカ製品ボイコット運動が生じ、そのため世界各国で輸入が自粛された。アメリカ政府は、1985年に南アフリカからの輸入を禁止した。輸入規制措置は、1991年にアパルトヘイト体制が終わりを告げたのを機に解除された。コインは22金(K22)、金の純度は91.67%である。

 

カナダ・メイプルリーフ金貨:製造枚数不明。ある情報筋によると、1979年から2013年にかけて2千3百万枚が発行されたとのことだが、カナダ王室造幣局は地金製品の製造量は公表しないと述べている。世界で2番目に導入された地金型金貨であり、1979年、1980年、および1981年に発行された金貨は22金であった。以後、純度は24金(K24・99.99%)に変更された。

 

アメリカ合衆国・イーグル金貨:製造枚数は約1千8百70万枚。アメリカ初のこの地金型金貨は、1986年に発行された。発行後、またたく間に国内の投資家の間で最も人気のある地金型金貨となった。純度は22金である。

 

アメリカ合衆国・バッファロー金貨:製造枚数は約60万枚。このアメリカ合衆国造幣局が発行した24金メープルリーフ金貨のライバルは、2006年に初めて鋳造され、国内で即座に受け入れられるようになった。

 

デザインと仕様

地金型金貨の古株クルーガーランド金貨の重さは1.09トロイオンス(33.93グラム)で、実際の金の重量は1トロイオンスである。直径は1.28インチ(32.77 mm)、厚さは0.11インチ(2.84 mm)だ。表面には1883年から1900年にかけて南アフリカ共和国の大統領を務めたポール・クルーガーの肖像画が描かれており、裏面にはアンテロープの仲間であるスプリングボックが描かれている。このデザインは当初から変わっていない。

 

カナダのメープルリーフ金貨は、24金と純度が高いため、サイズはやや小さめで軽量だ。重量は1トロイオンス(31.11グラム)で、直径は1.1811インチ(30.00 mm)、厚さは0.0878インチ(2.23 mm)である。その名の通り、裏面にはメープルリーフのデザインが施されている。表面のデザインは、エリザベス2世の肖像だ。エリザベス女王の肖像は、年齢と外見に応じこれまでに3回更新されている。メープルリーフには偽造防止仕上げが施されている。

 

アメリカのイーグル金貨の重さは1.0909トロイオンス(33.930 g)で、実際の金の重量は1トロイオンスである。直径は1.2874インチ(32.7 mm)で、厚さは0.1129インチ(2.87 mm)だ。含有される金はアメリカ合衆国内で採掘されたものでなければならないと、法律で定められている。表面の自由の女神像は、アメリカ人彫刻家オーガスタス・セント=ゴーデンスのデザインを基にしたもので、もともとのデザインは1907年から1933年にかけて発行された20ドル金貨に使われていた。裏面には、オリーブの枝を掴んだオスのハクトウワシが巣の上を飛ぶ姿が描かれている。このデザインは、彫刻家マイリー・タッカー=フロスト(旧姓はビュシーク)によるものである。

 

後にアメリカで導入されたバッファロー金貨は、純度が24金のためやや小さめで、重さも軽めである。重量は1.0001トロイオンス(31.108 g)、直径は1.287インチ(32.7 mm)、厚さは0.116インチ(2.95 mm)だ。表面の勇壮なネイティブ・アメリカンの肖像は、彫刻家ジェームズ・アール・フレイザーが手掛けたインディアン・ヘッド・ニッケル5セント硬貨のデザインが基になっている。裏面にはバッファロー(アメリカバイソン)が描かれており、こちらも同様にフレイザーによるニッケル貨のデザインが利用されている。この裏面のデザインのため、『バッファロー金貨』と呼ばれている。

 

地金型金貨購入のオプション

これらの4大金貨は小さいサイズも製造されており、この内2種には銀貨バージョンもある。またほかにも、ヨーロッパなどで広く受け入れられているオーストリアのウィーン・ハーモニー金貨、ナゲットの別名でも知られるオーストラリアのカンガルー金貨、中国発行のパンダ金貨などの1オンスの地金型金貨が存在する。

 

これらの金貨を選んでおけば間違い無しだが、アメリカでの人気ランキングは以下の通りだ。

 

1.アメリカ・イーグル金貨

2.アメリカ・バッファロー金貨

3.カナダ・メープルリーフ金貨

4.南アフリカ・クルーガーランド金貨

 

価格は金の現物価格(スポット価格)とプレミアに応じて変動する。大量に購入すれば、通常コイン1枚あたり数ドル節約できる。

 

どのコインであれ、購入する場合はペガサスコイン&ジュエリー(Pegasus Coin and Jewelry)などの認定された貴金属販売店から購入するのをおすすめする。

 

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ジョン・メイベン(John Maben)は、1978年以来フルタイムでコインおよび貴金属のディーラーとして活躍している。PNG、APMD、ANA、およびFUNのメンバーである。NGC副社長兼グレーディング・ファイナライザーを務めた経歴を持ち、現在はフロリダ州ブレーデントンにあるペガサスコイン&ジュエリー店(Pegasus Coin and Jewelry)のオーナー・経営者である。

 

本記事は、『COINWEEK』の翻訳記事です(掲載許可有り)。元記事は以下のリンクより確認できます。

参考:https://coinweek.com/bullion-report/bullion-investing-factors-to-consider-when-deciding-which-coin-to-buy/