イギリスの人気金貨・アンティークコインを5つ紹介!入手しやすいコインから始めてみよう

2020/9/8|著者: アンティークコインタイムズ編集部

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世界中には、さまざまな種類のアンティークコインがあります。発行枚数が少ない希少性の高いものから、発行枚数は多いけど状態の良いものが少ないものまで千差万別です。そこで今回は、アンティークコインの中でも人気も高く、入手難易度もそこまで高くない『イギリス』のアンティークコインをメインに5つ紹介していきます。これからアンティークコインのコレクターを始めようと考えている人、すでにコレクターとして活動している人にも参考になれば幸いです。


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ソブリン金貨 ヴィクトリア女王 ヤングヘッド

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まずは、イギリスのアンティークコインの中でも人気の高い『ヴィクトリア女王』が描かれたソブリン金貨です。ヤングヘッドとは、ヴィクトリア女王の若い時の肖像のことを指します。ソブリン金貨自体は大量に作られてたこともあり、基本的には地金型金貨に準じた取引が行われることが多いです。しかし、本項で紹介する『ヴィクトリア女王のヤングヘッドタイプ』よりも前に作られたものであれば、年号によって希少価値が高まるものもあります。

 

【製造元】イギリス

【額面】1ソブリン

【製造年】1838~1874年・1871~1885年

【材質】金

【直径】22mm

 

1 『w.w.陰刻』と『w.w.陽刻』

このコインには、「w.w」という文字が刻印されています。このw.wとは、本コインのデザインを担当した『ウィリアム ワイオン(William Wyon)』の頭文字を取ったものです。このw.wという文字が刻印されている状態によって、さらに陰刻・陽刻の2種類に分けることができます。金属に対して圧力をけることでデザインの刻印をするのが陽刻、コインに彫り込まれるのが陰刻です。パッと見では分からないほどの差しかありませんが、わずかなデザインの違いでもコレクターにとって重要な点になります。

 

2 刻印番号

刻印番号とは、「このコインは〇番目の刻印で製造されたもの」というのが分かるものです。刻印番号には1年間の通し番号となっており、年が変わるごとに1から番号が始まります。ソブリン金貨には、そんな刻印番号がある年と、ない年があるのが特徴的です。

 

3 デザイン

表に描かれているのは、若いころのヴィクトリア女王です。いわゆる「ヤングヘッド」と呼ばれるタイプになります。周りには「VICTORIA DEI GRATIA 1862」という文字が書かれており、「ヴィクトリア 神の御恵みにより」という意味です。裏のデザインは2種類あり、1838~1874年に発行されたものには『王冠を戴く盾に描かれた紋章』が、1871~1885年に発行されたものには『セントジョージと竜イギリス紋章』をメインに描かれています。



ヴィクトリア女王 ジュビリーヘッド金貨

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ヴィクトリア女王在位50周年(Jubilee Head)の記念に作られた金貨です。5ポンド、2ポンド、1ソブリン、1/2ソブリンの4種類が発行されましたが、今回は5ポンド金貨をメインにして紹介していきます。発行枚数は54,000枚(プルーフ797枚)と比較的多めで、コイン収集を始めたばかりの人でも入手しやすくなっているのが特徴です。

 

【発行国】イギリス

【発行年】1887年

【額面】5ポンド金貨

 

ヴィクトリア女王は、ハノーヴァー朝第6代女王として即位しています。この時期のイギリスは『世界の工場』と評されるほどの栄華を誇っていました。即位したのが1837年ですので、その50周年を祝う記念貨のため発行年は1887年となっているのです。

 

1 入手難易度は低い

本コインは非常に人気が高いだけでなく、現存数も多いことから初心者コレクターでも入手しやすいものとなっています。いきなりグレード(状態)の良いものから始めるのではなく、最初は多少グレードは低くてもすべての種類を集めるのも良いかもしれません。

 

2 デザイン

コインの表には、ラテン語で「VICTORIA D: G: BRITT: REG: F: D:」と書かれています。これを日本語訳にすると「ヴィクトリア 神のお恵みにより 大英帝国女王 信仰の守護者」です。裏側の絵柄は、「セントジョージの竜退治」というお話に因んだものになっています。この絵柄は、イギリスの金貨で定期的に使われてきました。



イギリス ノーブル金貨 エドワード3世

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エドワード3世とは、プランタジネット朝の国王として1327年~1377年まで在位していた人物です。エドワード3世と聞けば、イギリスとフランス間で行われた百年戦争を思い出す人も多いのではないでしょうか。そんな時代に活動していたエドワード3世が反映されたノーブル金貨は、非常に希少価値の高いものとなっています。

 

【製造元】イギリス

【額面】ノーブル

【製造年】1356~1361年

【材質】金

【直径】34mm

 

1 希少価値の高いノーブル金貨

「ノーブル」というのは金貨の単位であり、『ノーブル金貨1枚=1ノーブルの価値』として扱われていました。基準となる重量は7.77gとされていますが、現存するものは削れていたりして軽くなっていることも多いです。このノーブル金貨が製造されていた時代の金貨にある特徴として、『製造年の刻印がされていない』というものがあります。

 

そのため、1351~1377年の間に作られたこと以外、製造年が確実にいつのものなのか分かりません。本コインのエドワード3世が描かれたものは1356~1361年に発行されたものと言われています。そして、発行枚数も不明となっていますので、非常に希少価値の高いアンティークコインとして高い人気があるのです。

 

2 デザイン

表のデザインは、船に乗っている剣と盾を構えたエドワード3世が描かれています。周囲に刻印されている文字は「EDWARD DEI GRA REX ANGL Z FRANC D HYB」となっており、「神の御加護によって、イングランド王、フランス王、アイルランド卿となったエドワード3世」という意味が込められています。「イギリスなのにフランスの王なの?」と思われるかもしれませんが、エドワード3世は自分がフランス王だったと主張しているのです。エドワード3世が持っている盾にも、フランス王家の紋章が描かれていることからも強い拘りがあったことが窺えます。

 

裏のデザインには、十字が真ん中に描かれていおり、その周りを王冠やユリの花(フルール・ド・リス)が添えられています。周囲に刻印されている文字は「+IhC AVTEM TRANSIENS P MEDIVM ILLORVM IBAT」となっており、「しかし、イエスは彼らの中を通り抜けて去った」という意味になります。これは『ルカの福音書(聖書)第4章第30節』の言葉を引用されたものです。



ジョージ5世 5ポンド金貨

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現在まで続いているイギリス・ウィンザー王朝における初代君主であるジョージ5世が描かれた5ポンド金貨です。夫婦揃って野戦病院だけでなく戦地にまで赴くことから『国民と戦う国王夫妻』として、国民から愛された国王でもあります。

 

【発行国】イギリス

【発行年】1911年

【額面】5ポンド

【素材】金

 

1 高い人気を誇るアンティークコイン

この5ポンド金貨は、『ウナとライオン』に続く形で作られた国王戴冠記念シリーズです。記念であることも人気の秘密なのですが、やはりデザイン性の高さと、ジョージ5世の人気の高さに比例しているとも言えます。著名なコレクターもお気に入りにコレクションとして保有していることも多いほどです。

 

2 発行枚数の少なさ

本コインの発行枚数は【2,812枚】と非常に少なくなっています。プルーフの中でもCAMEO(カメオ)やULTRA CAMEO(ウルトラカメオ)・DEEP CAMEO(ディープカメオ)などであれば、さらに希少価値が高くなります。ただでさえ発行枚数が少ない本コインのCAMEO以上を保有するのは、コレクターとして一つの夢とも言えるでしょう。



ダイアナ妃追悼記念貨

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最後は比較的新しい金貨を紹介していきます。イギリス国内だけでなく、日本でも人気の高いダイアナ妃が刻印されたコインです。イギリスで1999年に発行されました。基本情報は以下のようになります。

 

【発行国】イギリス

【素材】金

【発行年】1999年

【額面】5ポンド

【直径】38.61mm

 

1 入手しやすいのも特徴的

ダイアナ妃追悼記念貨の発行枚数は以下のようになっています。

 

・金貨7,500枚

・銀貨49,545枚

・銅・ニッケル合金5,080,144枚

 

金貨や銀貨は発行枚数も少なく希少な記念貨と言えますが、合金貨であれば約500万枚と入手しやすい部類に入ります。発行してから20年近くしか経過していませんので、現存する金貨・グレードの高い金貨も入手しやすいと言えるでしょう。

 

2 デザイン

このコインのデザインは、表がダイアナ妃で裏がエリザベス2世となっています。ダイアナ妃が描かれている面には『IN MEMORY OF DIANA PRINCESS OF WALES 1961 1997・FIVE POUNDS・(ウェールズ公妃ダイアナ追悼 1961年~1997年 5ポンド)』という文字も刻まれています。

 

「PRINCESS OF WALES(プリンセス オブ ウェールズ)」とは、イギリスの王子と婚約関係となった女性が与えられる称号です。ダイアナ妃は、「PRINCE OF WALES(プリンス オブ ウェールズ)」、つまりチャールズ皇太子と婚約関係となったため上記の称号を授与されました。

 

しかし、チャールズ皇太子とダイアナ妃は1996年に離婚しています。それでも1999年に発行された本コインには「PRINCESS OF WALES」と刻印されていることからも称号を継続して使用しても良いと許されたということです。イギリスでも人気の高さ伺えます。



 まとめ

イギリスには歴史のあるアンティークコインが沢山あります。どのコインから始めようか悩むこともあるかもしれませんが、直感的に欲しいものから始めるのが一番です。個人的には、ダイアナ妃追悼記念貨などは比較的新しいので入手しやすく価格も良心的と言えます。もちろん、この記事で紹介したコイン以外にも沢山ありますので、気になった方は一度検索してみてください。

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タグ: イギリスコイン, アンティークコイン投資/資産運用

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